CE Loan
導入事例 三菱UFJ銀行さま
三菱UFJ銀行 法人リテール・企画部 岡村さま
三菱UFJ銀行が提供するサービス「お借入れオンラインサポート」。お借入れオンラインサポートは、中小企業のお客さまを対象に、お借入れ時の相談申込みや資料準備をインターネットやお電話でサポートするサービスです。
三菱UFJ銀行は、新型コロナウイルス感染症の拡大で融資相談が急増する中、信用保証協会の保証付きの融資の申込み方法をオンライン化し、「お借入れオンラインサポート保証協会ウェブ申込み」(以下、保証協会ウェブ申込み)の提供を開始いたしました。
保証協会ウェブ申込みのオペレーションシステムにはクレジットエンジンが提供するオンライン融資管理システム「CE Loan 保証協会」が採用されています。当時の課題やサービス提供背景を法人・リテール企画部の岡村さまにうかがいました。
コロナ禍での社会的要請を受け約2ヶ月で保証協会付融資の申込をデジタル化、よりスピーディな対応が可能に
・三菱UFJ銀行さまについて教えてください。
総合金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループの中核企業になります。2022年3月末時点で従業員数は約3万人、支店数は国内約500支店、海外約100支店と国内外に非常に大きなネットワークを持つ金融機関です。お客さまの層も個人のお客さまから大企業のお客さままで幅広くお取引をさせていただいています。
変化の早い時代の中で、我々のパーパス(存在意義)が問われる時代だと認識しています。その中で、全てのステークホルダーの持続可能な未来や新たなステージに進もうとするチカラになるということで、自社のパーパスを「世界が進むチカラになる。」と定義し、金融・非金融の両面でみなさまの支援をすべくグループ全体で一丸となって取り組んでいます。
・岡村さまが所属する法人リテール・企画部のミッションを教えてください。
法人・リテール企画部は、法人取引の戦略などの企画立案、伝統的な金融サービスから非金融の領域も含めて今後の方針策定を主に担当しています。特に、デジタル化の観点でどのようなサービスをお客さまにご提供していくのか、支店などの営業部隊と一緒にどのような付加価値をご提供できるのかを考えるのが私のミッションだと認識しています。
コロナ禍で融資相談が急増。オペレーションシステムを非対面化へ
・保証協会ウェブ申込みの導入に至った背景を教えてください。
きっかけは新型コロナウイルス感染症の拡大です。2020年3月頃、経験したことのない事態に見舞われ先行き不透明の中、お客さまからは、ご商売のお困りごとや会社を支える資金面での相談件数が平常時の何倍にも急増しました。特に、中小企業のみなさまの円滑な金融支援という点において、金融機関への期待値が高まり、社会的な要請も大きく、その中で我々に何かできないかという問題提起があったことが一つの大きなきっかけです。
そして、当時さらにスコープを絞ることでテーマとしてあがってきたのが、信用保証協会の保証付き融資です。制度面も充実しており中小企業のみなさまにはよくご利用いただいていた一方で、従来の紙書類でのやり取りの見直しに着手できておりませんでした。また、コロナ禍の非常事態で、これまでお借入されてないお客さまからの融資相談も増えておりました。
そんな中、金融機関でのお取引がはじめての方も多く、書類を書き慣れてないことや提出書類の数が多いことも相まって、書類の不備の修正を含めたやり取りに非常に時間がかかっていることに強い問題意識がありました。そこで、書類不備のやり取りを削減でき、かつ手軽にオンラインで相談いただけるサービスを提供できないかとの想いでサービス設計の第一歩が始まりました。
・保証協会ウェブ申込みで解決したかったことはなんですか?
紙書類のやり取りはかなりの割合で不備があり、不備がないことのほうが珍しい状態でした。また紙の場合、郵送で受け取った書類を行内で不備箇所を洗い出し、再度郵送で返送するため、郵送の行き来だけでも非常に時間がかかっていました。加えて、お電話でのご説明の際も、経営者のみなさまが受電可能な時間帯と銀行の営業時間との差もあり、なかなかお電話がつながらないという課題も大きかったです。当時は、紙書類の郵送や不備をやり取りする担当は人数を増員して対応を行っていましたが、お客さまからもリアルタイムに相談しながら資料を作成できる方法はないか、というお声もいただいていました。
企画立ち上げからリリースまで約2ヶ月。決め手は、開発スピードとシステム面での安心感
・保証協会ウェブ申込みの検討からリリースはどのくらいでしたか?
非常に迅速でした。初期的な企画が立ち上がったのが2020年3月頃で、4月には検討が具体化し、5月末にはリリースしたので約2ヶ月で立ち上げからリリースまでに至るという、非常にスピード感ある案件だったと思います。それだけ社会的要請や我々の課題意識も大きく、じっくり企画を練ってというより、とにかく今できることを実行するという使命感が強かったのだと思います。
・非常に早いスピード感ですが、会社としての意思決定も早かったのでしょうか?
このプロジェクトは今でもそうですが、上層部から担当レベルまで非常に意義があるものという認識が統一されており、まずはやってみようという掛け声のもとでスムーズに進んだものと認識しています。
・保証協会ウェブ申込みに「CE Loan 保証協会」を採用いただいた理由・決め手を教えてください。
Biz Lending というオンライン融資サービスでクレジットエンジンの「CE Loan」を利用していたため、その親和性が大きかったと思っています。Biz Lendingの仕組みを保証協会ウェブ申込みにうまく活用できるのではないかという話もありましたし、またシステム面での安心感やセキュリティ面での実績も鑑みて、クレジットエンジンさんにご相談させていただきました。
可及的速やかに手を打たないといけない状況下で、開発スピードにおいても我々の要求するものに的確に答えてくださる安心感も含めての判断だったかと思います。
実際、非常にキャッチボールも早く、我々の要望を聞いていただきつつ、かつスピード感を維持する中でどこまで実現可能かクリアに具体化していただきました。期待以上という表現は上から目線がすぎますが、非常にありがたかったと感謝しています。
チャット対応でお客さまと円滑なコミュニケーションができ、融資までの日数が短縮
・保証協会ウェブ申込みサービスをはじめたことで、どういう変化がありましたか?
融資期間のスピード感は大きく変わったと思います。申込みをオンライン化したことで、物理的な書類の行き来の数も減り、これまでに比べておよそ5営業日程度は縮まっていると思います。また事業者さまが相談しやすいようチャット相談対応もしています。事業者さまがどの融資制度に申し込んだらよいのか、という相談もチャットで解決できるようになったことで、全体の所要日数自体も短縮できている感覚です。
また、コロナ禍で非常にたくさんの相談や申し込みをいただきましたが、その中でもなんとか金融機関としての使命を果たすことができたのは、こういったシステムのサポートもあったからだと思っています。
・社内的な反響や変化はありましたか?
当時は、電話でのご相談件数も多く、電話対応に苦労している、という声は行内からもあがっていました。電話を取った際にも、お客さまの特定や相談内容を把握するまでに時間がかかり、回答するのに詰まってしまうということもありました。チャット窓口により、チャット上でのこれまでのやり取りの記録化が可能となったことで、ステータスや相談内容を把握しやすくなり、スムーズな回答が実現できました。また、チャットで伝わりきらない点は電話を組み合わせるなど、全体のコミュニケーションが効率化され円滑になったと思います。導入直後から行内での利用者も増えておりシステム自体が組織的にも浸透しています。
・借入を希望される事業者さまからの反響はありましたか?
実は、企画側として開始当初は不安を抱いていたこともありました。日々のやり取りではメールや電話、対面が多い中で非対面のチャットというものを導入した時に、抵抗感なく使ってもらえるのか。どの程度の需要があるかはおそるおそる挑戦したということはありました。
しかし、いざ導入してみると、抵抗感なくスッとご利用いただき、「やり取りがスムーズで相談しやすいですね」とお声をいただいたこともありました。
また、他の銀行さんなどからもお問い合わせをいただくなどの反響もありました。当時はスピード重視でリリースしましたが、何かお役に立ちたいというところの意気込みや金融機関としての姿勢は、少しはみなさまにお届けできたかと思います。今も多方面からの温かいフィードバックをいただいており、大変ありがたいです。
デジタル化の取り組みを一層強化し、パーパス実現に向けた金融支援を
・プロジェクトを通じて、今後の展開や実現したいことはありますか?
冒頭でお話しましたが、我々のパーパスとして「世界が進むチカラになる。」を掲げていますが、その中のテーマのひとつにDXがあり、本プロジェクトもこれに資する取り組みだと考えています。お客さまの手続きや我々行内のDXだけでなく、信用保証協会含む全体の手続きのDXにつながる非常に意義のある案件だと思っており、今後もより一層進めていきたいと考えています。また、その中で新たな気づきも出てくると思いますので、新しいビジネスの展開にも繋げていければと思います。
・その中でクレジットエンジンに期待することはありますか?
お客さまに理想的にご提供したいことがある一方、金融機関という性質上クリアしなければいけないハードルも多い中で、折衷点や良い意味でのバランスを取っていただきつつ、かつ早いスピード感で対応いただいているので、その点はぜひ引き続きお力添えいただきたいです。また、オンライン融資という観点では、ぜひ御社の知見や業界の最先端事例などもご教示いただきながら、我々としても目指したい世界観を描き、より具現化していけたらよいなと思います。
以上