CE Loan
導入事例 静岡銀行さま
静岡銀行
コーポレートサポート部 法人ファイナンスグループ デジタル取引推進室
室長 石井さま(写真右) 課長 名取さま(写真左)
静岡銀行さまでは、個人や法人を問わず利用者さまの利便性向上および行内の業務効率化を目指し、デジタルチャネルの拡充や活用に向けた取り組みを行っています。
2023年9月に法人・個人事業向けのポータルサイト「しずぎんビジネスポータル」の新たなサービスとして「しずぎん WEB 当座貸越サービス」の提供を開始しました。
「しずぎん WEB 当座貸越サービス」のオペレーションシステムには、クレジットエンジンが提供するオンライン融資管理システム「CE Loan」が採用されています。サービスの提供背景や反響等をデジタル取引推進室の石井さま、名取さまにうかがいました。
デジタル活用で業務効率化を推進、お客さまと向き合う新たな価値の創出へ
- 静岡銀行さまについて教えてください
静岡銀行は「地域とともに夢と豊かさを広げます。」を基本理念に掲げ、地域のお客さまの課題やニーズにお応えするために幅広い金融サービスや商品を提供しています。
- 石井さま、名取さまが所属するデジタル取引推進室のミッションを教えてください
我々が所属するコーポレートサポート部 法人ファイナンスグループ デジタル取引推進室は、「法人向けサービスのデジタル化推進」をミッションとし、主に法人向けポータルサイトの運営、インターネットバンキングサービスなどの非対面チャネルの強化とデジタルサービスの拡充に取り組んでいます。2022年6月に法人・個人事業向けポータルサイトをリリース後、デジタル化を推進するチームとして同年10月にデジタル取引推進室が発足しました。
コロナを契機に課題が顕在化、手続きを効率化し業務改善へ
- オンラインでの当座貸越受付をはじめた背景を教えてください
一つは、新型コロナウイルス感染拡大を契機に、物理的に人と会うことや対面の紙手続きが困難となる課題が顕在化しました。例外的に、FAXやメール等で対応していましたが、運用ルールが整っておらず、そこに不便さを感じるお客さまや営業店の声もありました。一方で、メガバンクを見ますと、すでに当座貸越手続きのオンライン化に対応されており、「当行でもオンライン化できないのか」という声が営業現場からも上がってきていました。
また、私自身も2020年4月まで営業店に在籍しており、月末付近に当座貸越の手続きが集中し、業務が繁忙する経験をしていたので、「もう少し効率的にできる方法はあるのでは」と考えていました。
- デジタル推進の中でも、当座貸越のオンライン化を優先的に進めた理由はなんですか?
当座貸越の手続きは、営業担当が押印された借入請求書を受け入れるためにお客さまを訪問し、事務担当が書類の内容を確認、それを行内の集中部署に送付し融資実行をするという流れでした。
書類を受け入れるためだけの訪問や移動があったり、書類作成時のミスや印鑑相違が起こると再び訪問をしたりと効率化の余地のあるプロセスが多く、紙ではなくWebで手続きを受付することで、一連の手続きを効率化したいと考えました。
当行では特に当座貸越の件数が毎月多く、渉外担当者がよく対峙する業務かつ頻度が多い業務であり、優先的に改善していくのが良いだろうと思いました。
決め手は、実現に向けた具体的な提案と良いものを作り上げる姿勢
- クレジットエンジンの「CE Loan」を採用いただいた理由と決め手はなんですか?
他行さんの事例も参考にしつつポータルサイトの利用推進も組み合わせてどのように実現していくのか、という検討から入りました。検討を進める中で、これまで取引のあったベンダーさんを含め数社にご提案をいただきました。クレジットエンジンさんは、金融機関のデジタル化を支援しているITベンダーとして存じ上げていましたし、当行の他部署と面談されていたこともあり、お声がけをさせていただきました。
採用の決め手は、当行が実現したいことやニーズを具体的にヒアリングし提案いただいたところです。また、クレジットエンジンのプラットフォームを活用し、ゼロから構築するのではなくSaaSの素地があった上でのカスタマイズ提案に加えて、価格もリーズナブルでした。打ち合わせの中でも、クレジットエンジンの皆さんの理解が早く、会話もスムーズで本当に助かりました。私自身、営業畑での経験が多かったこともありシステム開発においては素人に近い部分もありましたが、意図をよく理解してくれ、具体的に形にしてくれそうだなと感じた部分も大きかったです。
- 実際に進める中での対応はどうでしたか?
改善や修正要望に対してのスピード感はかなり早かったです。社内の意思決定や、依頼に対しての回答もスピーディで非常に進めやすく、開発スケジュール通りにサービスの提供を開始することができました。
また、UIへのこだわりが強く的確な提案や、クレジットエンジンとしての意思も提示いただいたことでより良いものができたと思っています。
マニュアルいらずのシンプルな操作性にこだわり、約7割がWeb上での手続きに。お客さまと向き合う時間を創出
-「しずぎん WEB 当座貸越サービス」をはじめたことでどういう変化がありましたか?
営業担当が当座貸越の手続きだけのためにお客さまを訪問する機会が減り、お客さまも手続きのために時間を割く必要がなくなったと思います。事務的な訪問が削減できたことで、お客さまに向き合い、より付加価値のあるソリューション提案を行うための時間が作れていると感じています。
サービスリリースから約1年が経過し、当座貸越の月間利用件数の約7割がWeb上での手続きに移行し、当初の予測以上のペースでご利用いただいています。営業店の協力もありWebへの切り替えが浸透していったのもありますが、現場としても効率化していかないと仕事が回らないという危機感があってのことだと思います。
- お客さまや営業店からの反響はありましたか?
アンケートの回答でも、「営業店からは業務の効率化に繋がっている」という声を多くもらいました。ペーパーレス化によって、モノの管理自体も不要になり業務が楽になった声もありました。また、事務的な訪問が減りお客さまも時間や場所を選ばず対応でき、嬉しいとの声も寄せられています。
- 使っていただくための工夫は何かされましたか?
とにかく簡単でシンプルなもの。クリック回数を減らし、お客さまが迷わず手続きできるようにする点にこだわりました。お客さま向けマニュアルの作成を依頼したところ、クレジットエンジンさんから “マニュアルがいらないくらい簡単なので大丈夫です” と言われましたが、その点は非常に長けており、アドバイスをもらえて助かりました。
また、ヘルプデスクの問い合わせも、Web当座貸越の操作に関する質問はほとんど入ってきていません。シンプルな操作性と使いやすさを重視した結果、お客さまもスムーズに利用できているのかなと思います。今までのやり方を変えるのは難しいところはあったと思いますが、現場で「使いやすい」「効率化できる」という感触を持ってもらえたことが大きかったと思います。それはお客さまも同じだと思います。
融資業務に限らずデジタル化を推進。非対面と対面の最適化でお客さまにより便利なサービスを。
- 今後の展望について教えてください
しずぎん WEB 当座貸越 サービスは、リリース後も継続的に改善を重ね、お客さまや営業店の声を反映し、さらに使いやすいサービスを目指しています。また、銀行の融資業務においては、依然として効率化できる余地があると思いますし、融資業務に限らず諸届の非対面化も進めていきたいと考えています。
金融サービスの中で、個人向けのデジタルサービスは数多くあり発展していますが、法人向けサービスに関しては、業界全体でまだ発展途上だという印象があります。非対面で良い部分は変えていき、対面でないといけない部分は変えることなく適切に使い分けることで、よりお客さまにとってより便利なサービス提供をしていきたいと思います。